「大賀君、ちょっと頼みたいことがあるんだ」
名誉会長室から降りてきた井深は、CDプロジェクトに取りかかっていた副社長の大賀に個人的な頼み事をした。これからアメリカ視察に行くのだが、飛行機の音楽放送と、あのチューブ状のモノラルフォンが嫌だという。
飛行機の中でも自分の聴きたい音楽を、いい音で聴きたい。携帯テープレコーダーを持って行くから、ちょっと改造してほしい、と。
「録音機能を外して、かわりにそこにステレオジャックを付ければいいんですね。お安いご用です」
大賀は敬愛する創業者の願いを請け合った。帰国後、井深の感想を聞くと、電池が切れたけどNYにこのタイプの電池が無くて困った、と所在なげに答えた。「そりゃいけませんでした」と大賀はその電池を使った事情を説明した。
要するに、ふたりともこの改造品が、革命的なコンセプトを宿していることに全く気づいていなかったのだ。そこへおもちゃの噂を聴いた盛田が部屋へ入ってきた。
「おおっ、これだな。どうでした?」
さっそくヘッドフォンを付けてみた。盛田の表情から徐々に笑顔が消え、会話が途切れた。沈黙の後、盛田はつぶやいた。
「…これは売れる」
そして急展開が始まった。会議では大賀を含め、どの役員も社員も「録音できないテープレコーダーなんて絶対売れません」と反対したという。着想した井深すら、なぜ盛田がそんなに燃え上がっているのか理解できなかった。
盛田は会長とはいえ、孤軍奮闘でプロジェクトを率いることとなった。
Walkmanのイヤフォンには、パブリック・ノイズを遮断する性質があった。それは一時的とはいえ、音楽の力で「公共の中の個人的自由」を実現してくれた。
現代社会の圧迫から一時的なりとも自由を与えてくれるから、ヘッドフォン(イヤフォン)文化は共通文化となりえた。歴史から得た推論は、日常の肌感覚とも一致した。
実は当初、私的複製の権利はアメリカの著作権法には無かった。Walkmanの前に、ベータマックス(ビデオデッキ)でいち早く録画文化をアメリカに広めていたSonyは、ハリウッドに訴えられた。そのとき、盛田が一歩も引くことなく戦ったことで、法廷で確立した権利だ。CDのリッピングを前提とするiPodも、私的複製の正当性が無ければ存在し得なかった。
盛田はこの時、アメリカのテレビに何度も出て「タイム・シフト視聴」という概念で私的複製の正当性を説明し、アメリカ国民を味方につけた。
視聴者が番組をビデオに複製するのは、いつでも好きなときに番組を観るためであって、この権利を奪い、リアルタイムに番組を観るという行為に縛りつけるべきでない。いったん放送されたものは公共財なのだから、と訴えたのだ。
私的複製とは異なるが、タイムシフト視聴の概念は、YouTubeのようなビデオ・オンデマンド、あるいはSpotifyのようなミュージック・オンデマンドにつながっている。
私的複製は、アクセスの自由を実現するための過程であって、目的ではない、という盛田の発想は極めて未来的だった。複製権ビジネスからアクセス権ビジネスへ向かおうとしている、現在のコンテンツ産業の最先端にさえ通じるからである。
井深大のトランジスタラジオ。盛田昭夫のWalkman。そして大賀典雄のCD。
20世紀後半、日本のSonyから繰り出されたイノヴェーションは、地球の音楽産業に多大なる影響を及ぼしてきた。
「3種類のクリエイティビティーが必要だ。(1)テクノロジー(2)プロダクトプランニング(3)マーケティング-この3分野でのクリエイティビティーが絶対必要で、いずれが欠けたりしてもいけない」
( I said there are three creativities: creativity in technology, in product planning, and in marketing. To have any one of these without the others is self defeating in business.)
MADE IN JAPANという本で、盛田昭夫が英語で語った言葉だ。この言葉を読んで、スティーブ・ジョブズを思い出した読者もいるだろう。ある意味、ジョブズのAppleは、Sonyスピリットの正当な後継者だ。
「囲碁や将棋において初段の人間というのは、人の打つ手になにかと口出しをする。
自分より格下の者と対局する場合、あっという間にコテンパンに負かしてしまう。
下のものはやる気を失ってしまうね。
それが五段ともなると人の打つ手に口出しをすることなく黙ってみる。
格下の者と打つときには、相手の実力に合わせ良い勝負ができるように導く。
そうすることによって、下の者が育っていくんだよ。」
で、
「子育ても同じだよ、ダメだダメだ言ってたら子供はダメになる。
お利口だねぇ、良くできるねぇ、って言ってたらそのとおりの子供が育つ。
相手に合わせてやらなきゃならんよ、お母さんが」
彼がいなくなって、まだ10日。
ずっと覚悟してきたこととはいえ、
言いようのない哀しみで押しつぶされそうになる時も当然あります。
でも、同じように伴侶を亡くす経験をした友人が言ってくれた、
「死んじゃうのって、全て終わりだとは思わない。
身体はなくなってしまったけど、一緒に生きてると思ってる」という言葉で、
なんとなく心が落ち着いた。
でもさー。
やっぱり自宅がいいよね。
病院みたいに色々うまくできないかもしれないけど、
残された時間が限られているなら、全部の時間に私と、あんきも(猫)がいたほうが良いよね。
それは、どう考えても間違いないことだから、迷いませんでした。
あとは、「最期を家族だけで看取る」という面が病院と大きく違っていた。
実際、夫が危篤になり、息をひきとるときに、お医者さんや看護師さんはいませんでした。
すでに訪問を受けて、できる限りの医療処置をしてもらっていたので、
亡くなったら連絡をする流れになっていたのです。
「息を引き取るときの体の変化やサイン」を事前に教わり、
彼の手首の脈をとりながら、そのときが静かに近づくのを待ちました。
本当にがんばった夫だったので、最後はもう無理に呼び戻すことはしませんでした。
私はスピリチュアル系には全くうといのですが、
部屋のどこかに「迎えにきてるんだろうなあ」という不思議な気配を感じたし、
「夫をよろしくおねがいします」と、ただただ祈りました。
356 名前:名無しさん@13周年[sage] 投稿日:2013/03/09(土) 21:34:45.04 ID:H2+YsWBM0 [1/2]
アメリカは物量と対応ノウハウ、速度が半端じゃないと思い知らされた
危機管理って言うのはああいうのをいうんだろうね
台湾は人口比で見ても異常な金額を送ってくれた
韓国も印象に残っただろ
もちろん悪い意味で
372 名前:名無しさん@13周年[] 投稿日:2013/03/09(土) 21:37:54.34 ID:GsB9lfsM0 [11/23]
»356
アメリカ軍の動きは、
あれが「戦争経験」ってやつなんだろうな
良くも悪くも
だてに戦争しかけてない連中だと思って、
少し恐ろしさも感じたw
441 名前:名無しさん@13周年[sage] 投稿日:2013/03/09(土) 21:54:25.56 ID:cVULwQL10 [10/24]
»372
ドロや丸太が散乱してた仙台空港に輸送機で強行着陸したんだよな
最初に降りた機の搭乗員はまさに命がけだったと思う
469 名前:名無しさん@13周年[] 投稿日:2013/03/09(土) 22:04:00.07 ID:MnPPrld90 [2/3]
»356
自衛隊の活躍もすごいものだったなあ。
軍隊って言うと、鉄砲撃って爆弾落として殺すのが仕事って、
学校では教えられて来たけど、
実際には塹壕掘って橋頭堡作ってと土建屋の仕事のが多いよな。
491 名前:名無しさん@13周年[sage] 投稿日:2013/03/09(土) 22:10:56.34 ID:cVULwQL10 [12/24]
»469
「緊急時だから仕方ないが、自衛隊にご遺体の回収までさせるのは
負担が重すぎる。本来は厚労省の仕事でしょう」と
北澤防衛大臣がコメントしてたな
損な役回りを黙々とこなしてる自衛隊はもっと評価されてもいい
505 名前:名無しさん@13周年[] 投稿日:2013/03/09(土) 22:14:22.19 ID:YY1yGrW90 [14/43]
»491
大川小学校(唯一大きな犠牲が出たところ)で、
遺体を捜す作業にあたってた自衛隊の人が突然泣き出して
「なんで俺ばっかり子供見付けるんだよ!!」
「もういやだ!!俺の子供と同じ年じゃねーか!!」といったりした。
でも誰もそれを怒ったりとがめたりせず、黙々と作業をすすめた
安全で清潔な環境から文句を言う政治家は滅びろ
577 名前:名無しさん@13周年[] 投稿日:2013/03/09(土) 22:33:08.18 ID:8W05IjnzO [4/5]
»505:YY1yGrW90
»491
亡くなった子供たちも、そんなお父さんに見つけてほしかったんだよ。俺はそう思う。
>でも誰もそれを怒ったりとがめたりせず、黙々と作業をすすめた
みんな辛かったと思うよ。
被災された人達に遠慮して、遺体を運んだトラックの中で、死臭の中で仮眠したり食事したり。
自衛隊が暗い顔をしていると、被災された方々が不安になるから気丈に頑張っていても、
ていうかだからこそこいう「慟哭」をよく理解できるんだろうね。
>安全で清潔な環境から文句を言う政治家は滅びろ
いたねぇ。安全な所から無茶な丸投げ命令だけだして何にもしなかった政権与党とかw
610 名前:名無しさん@13周年[sage] 投稿日:2013/03/09(土) 22:40:10.20 ID:N+UZo6ZT0 [8/12]
»577
実は当時医療関係のボラで避難所に詰めてたんだが、
一日数回給水車を運んできてくれる自衛隊の人達、駐屯している場所が
遺体安置所になっている学校のグラウンドで、
そこにテント張って何ヶ月も頑張っていたんだよな。
でも、話をしている分にはそんな苦労は微塵も感じさせず、
こんな事くらいしかできなくてすみませんとまで言ってくる。
アメリカ軍や一部を除く他の国の人々にも凄く感謝してるけど、
やっぱ一番感謝しているのは自衛隊だな。
490 名前:名無しさん@13周年[sage] 投稿日:2013/03/09(土) 22:10:42.01 ID:25F0u8YN0 [5/14]
»469
自衛隊は、道路復旧、橋梁復旧の早さで世界を驚かせたね。
ただ規範意識が高いので、民主党の屑どもの命令が出るまでは
米軍のフリーダムで速攻な救援活動を祈るように見てるだけだったんだがな。
496 名前:名無しさん@13周年[] 投稿日:2013/03/09(土) 22:12:02.50 ID:YY1yGrW90 [13/43]
»490
そう
孤立した地域への着陸についてもとにかく政府がダメ!!ダメ!!の嵐
あれアメリカだったら現地の判断で行動せよって出てるぞ。
あと道路復旧は現地の人達の力もすごかった
皆重機持ってきて直しちゃうんだもんw
570 名前:名無しさん@13周年[sage] 投稿日:2013/03/09(土) 22:31:16.99 ID:/y3lopb20 [2/9]
»496
物資の投下だけでも許可してくれ!って行ったのに、
安全確認ができないのでダメ!の一点張りだったよな。
食料やクスリがなけりゃ命が危ない状況なのに。
本当に民主党はバカだ